記録番号:LIM-012
記録日時:2009年5月17日(午後4時頃)
調査担当:境界現象研究班 第一小隊
観測記録
調査対象は、一般的な住宅のリビングに酷似した空間で発見された。
部屋は白い壁とカーペットに覆われ、中央には通常の居住環境では存在し得ない小型のプールが埋め込まれている。
特筆すべきは、プール脇に「歩行者用信号機」が単独で設置されていた点である。
信号機は電源ケーブルの接続が確認されていないにも関わらず、観測時には常に青信号が点灯していた。
その光は通常よりも淡く揺らめき、調査員の一部は「水面に吸い込まれるように感じた」と証言している。
ソファなどの家具は生活感を伴っていたが、居住者の痕跡(衣類、食器等)は一切見つからなかった。
分析
当現象は「家庭的空間」と「都市的インフラ」の融合例として報告される。
信号機の青信号は一定のリズムでわずかに明滅しており、これは水中からの光干渉によるものと仮定されているが、詳細な原因は不明。
調査員がプールに接近すると、カーペット上にもかかわらず靴底に湿り気を感じたとの報告がある。
また、滞在時間が5分を超えると「帰宅時間を誤認する」「誰かに合図されている気がする」といった軽度の認知撹乱が観測された。
結語
本現象は「日常と非日常の境界」に属する典型的事例と考えられる。
特に、青信号が常時点灯している点は、行動の「許可」や「通過」を象徴する可能性があるが、
それが「水中への進入」を示唆している場合、重大な危険を伴う恐れがある。
継続調査は制限付きで行うことを推奨する。
記録番号: OBS-012目撃者: 被験者T.M.(仮名)収集方法: 聴取による証言 証言内容 続きを見る
OBS-012:信号機のあるリビング