記録番号:LIM-015
記録日時:2013年4月7日(正午)
調査担当:境界現象研究班 第二小隊
観測記録
調査対象は、一面の芝生に覆われた長大な直線状の通路である。
通路の両脇には同一形状の白いプラスチック椅子が規則正しく並んでおり、視界の果てまで続いているかのように見える。
通路の先端には水色のプールが配置されており、その奥には白い円筒形の建造物が設置されていた。
建造物の壁面には黒字で 「See you later」 と記されている。
周囲には白い球体を頂部に持つ柱が等間隔に立ち並んでおり、全体が式典場や出発ゲートのような印象を与える。
分析
本現象は、現実的要素(椅子・芝生・プール)と、儀式性・宗教性を想起させる人工的配置が融合した空間と解釈される。
特に「See you later」という文言は、一時的な別れの約束を表すにもかかわらず、
無人かつ静寂の空間と結びつくことで、永遠の離別の象徴として機能していると考えられる。
また、椅子の配置は観衆の不在を際立たせ、観測者に「誰のための儀式なのか」という強い違和感を抱かせる。
プールの水面は安定しており、風の影響をほとんど受けない点が特異である。
結語
本現象は「見送りと別離の儀式化」に関連する象徴的空間と判断される。
通路の奥に記された「See you later」は、再会の約束と帰還不能性の両義性を示唆している。
現地調査においては、長時間の滞在が観測者に強い喪失感や感情的消耗を引き起こす可能性があるため、
短時間の遠隔観測を継続するに留めることが推奨される。
記録番号: OBS-015目撃者: 被験者K.R.(仮名)収集方法: 聴取による証言 証言内容 続きを見る
OBS-015:芝生の参道と「See you later」