記録番号:LIM-010
記録日時:2017年4月14日(午前2時19分頃)
調査担当:境界現象研究班 第一分隊
観測記録
調査地点は人工構造物と思われる長い直線状の通路内で確認された。
内部は白色の壁面と天井で構成され、通路の両側には手すりが設置されていた。壁面には「進入禁止」を示す標識が取り付けられていたが、背後に外部空間への出口は確認できなかった。
通路の奥には濃密な白霧が発生しており、視界は数メートル先で完全に遮断されていた。霧の中には複数の光源が点状に浮かび上がり、それらは観測者の移動に関わらず一定距離を保ちながら接近してくるように見えた。
音響測定では霧の内部から低周波の振動音が記録された。振動は周期的で、機械的駆動音に類似していたが、通路内には機械装置は存在しなかった。
分析
LIM-010は「閉鎖空間における可視的障壁」と「実体不明の発光体」が組み合わさった異常現象と推定される。
霧は通常の水蒸気ではなく、観測時の温湿度条件とは一致しない状態で出現していた。成分分析の試みは、サンプルが採取と同時に消散するため成功していない。
また、霧の奥で観測された光源は「外部の注視対象」を模した存在である可能性が指摘されている。調査員の複数が「霧の中から監視されている感覚」を証言しており、心理的干渉要素が強いと判断される。
結語
LIM-010は「白霧の壁」と「接近し続ける光源」を伴う回廊型境界現象である。
その存在は物理的障害物としての性質に加え、観測者に強い心理的圧迫と退路遮断の感覚を与える。
境界現象研究班は、本件を「閉鎖回廊型の心理干渉現象」として特別監視対象に指定した。
記録番号: OBS-010目撃者: 被験者M.S.(仮名)収集方法: 聴取による証言 証言内容 続きを見る
OBS-010:霧の奥に潜む光