LIM-008:水上住宅の逆転回廊

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LIM-008:水上住宅の逆転回廊

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記録番号:LIM-008
記録日時:2015年7月19日(午前2時17分頃)
調査担当:境界現象研究班 第一分隊

LIM-008:水上住宅の逆転回廊


観測記録

調査員は狭長な白色の回廊を進行中、天井部に広大な水面を確認した。
その水面は通常の重力方向に反して「天井側」に保持されており、流下や滴下は観測されなかった。

水中には小型住宅のような構造体が存在し、基礎部分を持たず、空中に吊り下げられているかのように留まっていた。
窓からは家具や生活空間に類似する物体が確認されたが、居住者は確認されていない。

また、回廊の壁面に複数設けられた小窓からは淡い光が射していたが、外界の風景は一切見えず、光源は不明である。


分析

LIM-008は「重力反転型の水面保持現象」と「居住構造物の浮遊定着」が複合した異常空間と推定される。
水面は実際の液体挙動を示すが、外的干渉(触れる、石を投げ入れる等)を試みた場合、対象は水面を通過せず弾かれることが報告された。

浮遊住宅は「既知の住宅建築を模倣した外観」を持つが、基盤・柱・支持体は存在せず、空間そのものに固定されていると考えられる。
また、家屋の観察を続けるほど「内部に人影のような影」が映るとの証言が複数あり、これは観測者の視覚的フィードバックによって生成される可能性がある。

注目すべきは、調査員がこの回廊を逆行しようとすると、再び同じ光景に戻る「非ユークリッド的循環」が発生する点である。進行方向を変えても必ず天井水面と浮遊住宅のある空間に戻る。


結語

LIM-008は「水面と居住構造の逆転的配置」を呈する閉鎖回廊現象であり、内部は「観測者を循環的に拘束する機構」を持つと考えられる。
その住宅は実際の住居を模倣しているが、機能性はなく、むしろ「観察者の居住空間記憶」を反映・固定化した装置である可能性が高い。

境界現象研究班は、この現象を「逆転水上住宅構造体」として監視対象に指定した。

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