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LIM-007:水流階段の螺旋出口
記録番号:LIM-007記録日時:2014年3月3日(午前4時42分頃)調査担当:境界現象研究班 第二分隊 観測記録 調査員は屋内構造物の奥にて、二基のエスカレーターと中央の水流が同居する空間に到達し ...
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記録番号: OBS-021
目撃者: 被験者R.T.(仮名)
収集方法: 聴取による証言
証言内容

長いトンネルを抜けると、前方に強い光が差していました。
そこには二基のエスカレーターが並んでいて、中央にはまるで滝のように水が落ちていたんです。
エスカレーターは動いているように見えるのに、近づくと不思議と足が進まなくなる感覚に襲われました。
天井の丸い開口部からは、青白い光が絶え間なく注いでいました。外の空に繋がっているように思えたのですが、見上げても果てがなく、むしろ光の奥へ吸い込まれそうになるんです。
「EXIT」と書かれた標識がはっきりと掲げられていました。ですが、その下に辿り着こうとしても、階段は無限に続き、どれだけ登っても終わりが訪れませんでした。
途中から気づいたんです……水の音がだんだん大きくなり、足元の水位が少しずつ上がってきていることに。
振り返ろうとした瞬間、背後は真っ暗な壁に変わっていて、入口は完全に消えていました。残されたのは、滝の音と出口を示す光だけ……。