記録番号:LIM-002
記録日時:2011年8月21日(深夜3時頃と推定)
調査担当:境界現象研究班 第二小隊

観測記録
地下施設に似た、密閉された空間だった。
中央に細長いプールがある。照明は淡い青で、理由もなく落ち着かない色だった。そのプールの真ん中に、標識が立っていた。「DROWNING WARNING」。溺死注意、ということだ。水深を示しているのだと思う。ただ、この施設で水没事故が起きた記録は、どこにもない。
プールの上からはスライダーが伸びていた。曲線状の、遊園地にあるようなやつだ。近づいたとき、水音が聞こえた。でも水面は動いていなかった。波紋ひとつ、立っていない。音だけが、どこかから来ていた。
標識の足元が水面に映り込んでいたが、文字が逆さに歪んでいて読めなかった。反射の問題ではないと思う。
分析
標識は金属製に見えた。触ろうとした調査員が、「触れる前に水に引き寄せられる感じがした」と言っている。実際には動いていないのに、体がそう感じた、と。
スライダーは天井につながっているはずだった。でも上を見ると、そこには暗闇しかなかった。天井がどこにあるのかわからない。外部の構造との接続は確認できていない。
「無人施設が自分を守っている」という仮定が出た。うまく言えないが、この空間は何かを維持しようとしている気がする。
結語
水があって、スライダーがある。遊び場の形をしている。なのに、楽しい感じが一切しない。「DROWNING WARNING」という標識だけが、妙にまっすぐこちらに向いていた。
長くいた調査員が、時間の感覚がおかしくなったと言っている。何時間いたのか、あとで確認したら全員の記憶がずれていた。継続調査は、いったん止めている。
記録番号:OBS-002目撃者:仮称「R」収集方法:聞き取り(調査班による一次取材) 証言内容 続きを見る
OBS-002:地下プールに現れた標識