LIM-013:長廊下プールと「bye-bye」の標記

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LIM-013:長廊下プールと「bye-bye」の標記

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記録番号:LIM-013
記録日時:2012年8月21日(午後2時頃)
調査担当:境界現象研究班 第二小隊

LIM-013:長廊下プールと「bye-bye」の標記


観測記録

長い廊下だった。両側に窓が並んでいて、床が全部プールになっていた。水色の、浅くない水だ。平均1.5mある。歩けない。泳ぐか、縁を伝うしかなかった。

突き当たりに白い壁があった。中央からウォータースライダーが突き出ていた。パステルカラーの、遊園地にあるような形だ。壁の上から伸びていて、どこから来ているのかわからなかった。出口側は確認できていない。どこに繋がっているのか、誰も知らない。

壁の上の方に文字があった。淡いグレーで「bye-bye」と書いてあった。塗られたものではなかった。壁の素材そのものが変質して、その形になっていた。削ろうとしたが、削れなかった。


分析

スライダーの中から音がしていた。低い、風のような音だ。マイクを入れたら、記録機器が止まった。再起動しても、もう一度入れるとまた止まった。中で何が起きているのかは記録できていない。

水は塩素処理水に近い成分だった。ただ、光の反射がおかしかった。窓からの光を異常に増幅させていた。廊下全体が、水の反射でずっと揺れて見えた。

終端に近づくにつれて、調査員の様子が変わった。「帰れない気がする」「何かに送り出されている」と言い始めた。全員ではないが、複数が同じことを言った。


結語

「bye-bye」は別れの言葉だ。

でもここで誰かに別れを告げられるとしたら、相手は誰なのか。スライダーを滑った先に何があるのか。帰ってきた人間がいないから、わからない。

試した調査員はまだいない。禁止しているからではなく、全員が「乗りたくない」と言うからだ。あの文字を見ると、乗ったら戻れない気がする、と。

窓の光が水面で揺れている。廊下の奥で、スライダーがずっとそこにある。風の音だけが、中から聞こえ続けている。

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