LIM-004:水底回廊に出現した大型機群

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LIM-004:水底回廊に出現した大型機群

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記録番号:LIM-004
記録日時:2012年2月16日(午前2時15分頃)
調査担当:境界現象研究班 第一分隊

LIM-004:水底回廊に出現した大型機群


観測記録

調査員は、湾曲したトンネル状の空間を進行中、内部が完全に水没しているにもかかわらず稼働している大型機群を発見した。
自販機は合計5基、外装は淡い桃色で統一されており、前面の照明は水中でも正常に点灯していた。

特筆すべきは、大型機の周囲に咲き誇る薔薇である。根は存在せず、床面から直接生えているように見える。
花弁や葉は水没状態でも劣化や腐敗の兆候を示さず、むしろ水面に反射する光と同調するかのように開閉していた。

調査員が近づいた際、複数の大型機から低い機械音が発せられ、液晶パネルには「在庫補充完了」の文字が表示されていた。
しかし内部を確認すると、商品は通常の飲料缶ではなく「内容不明の透明な瓶」が整列していた。


分析

この現象は「大型機の自己稼働現象」として仮分類される。
電源・補給源が存在しないにも関わらず正常に稼働しており、供給される商品も通常流通品とは一致しない。

また、同空間に咲く薔薇と販売機の色調が一致している点から、両者は何らかの相互関係を持つ可能性がある。
花弁を採取しようとした試みは失敗し、接触した調査員は「薔薇に触れた瞬間、水の中で呼吸できる感覚を覚えた」と証言している。


結語

本件は「人工物と有機体が同一空間で自己維持を行う」稀少な事例である。
空間の特性上、調査員は長時間の滞在が可能であったが、精神的な影響が観測される可能性があるため調査は一時中断された。

調査班は回収を試みたが、自販機も薔薇も空間からの移動は不可能であり、搬出を試みた瞬間、機械の光がすべて消失した。
再侵入時には元通り稼働しており、「空間そのものが補完機能を有する」との仮説が提出されている。

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